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【ゼミ】エナリス:脱炭素「義務化時代」の経営戦略を議論、産官学が制度改正と再エネ・蓄電池活用の最新動向を解説

2026.10.21

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エナリスは10月20日、東京国際フォーラムで「エナリス脱炭素サミット2026」を開催した。「脱炭素“義務化時代”を生き抜く経営戦略」をテーマに、大学研究者や関係省庁、民間企業の専門家が登壇。排出量取引制度(GX-ETS)の本格稼働や温室効果ガス(GHG)排出量算定基準の見直しなど、相次ぐ制度改正への対応をはじめ、再生可能エネルギーや蓄電池、エネルギーマネジメントシステム(EMS)の活用を通じた脱炭素経営の方向性を取り上げた。

■脱炭素対応は努力目標から経営上の義務へ

冒頭でエナリスの鈴木吾朗代表取締役社長が挨拶した。脱炭素関連制度の拡充を背景に、環境対応が企業価値や事業継続を左右する経営課題へと変化している状況が示された。

具体的には、2026年4月に本格稼働したGX-ETSにより、一定規模以上の排出事業者に排出枠の保有・償却が義務付けられるほか、改正省エネ法では化石燃料からの転換や電力需要の最適化に関する計画・報告への対応が求められる。2025年4月に改正された温対法では、対象事業者の排出量算定・報告・公表制度の見直しが進み、企業の環境情報を可視化する仕組みが強化されている。

国際的にも、SBT(Science Based Targets)の新基準やGHGプロトコルの改定に向けた動きが進展。サプライチェーン全体の排出量を示すScope3への対応に加え、削減目標の実行状況や情報開示の重要性が高まっている。国内ではSSBJ基準に基づくサステナビリティ情報開示の段階的な義務化も予定され、脱炭素への対応は単なる環境負荷低減にとどまらず、企業経営や事業競争力に直結する課題となりつつある。

■産官学が制度対応とエネルギー活用の方向性を共有

講演プログラムでは、東京大学大学院の松橋隆治教授が世界のエネルギー・資源情勢とカーボンニュートラル実現に向けた課題をテーマに登壇。東京大学生産技術研究所の岩船由美子教授は、電気料金やCO₂排出量、系統制約の観点から、需要側フレキシビリティの活用を取り上げた。

行政からは、経済産業省 資源エネルギー庁の渡辺信彦 新エネルギーシステム課長が分散型エネルギーリソースを取り巻く政策動向と課題について講演。環境省の小野裕永 脱炭素ビジネス推進室長は、バリューチェーン全体の脱炭素化に向けた課題と政府の取り組みを紹介。

企業講演では、竹中工務店の粕谷文氏が建物の脱炭素化に貢献するEMSの取り組みと展望を、大塚ビジネスサポートの柴田哲也氏が大塚グループの北海道エリアにおける蓄電池活用事例をテーマに登壇。最後にエナリスの小林輝夫専務執行役員が、2030年を見据えた「スマート脱炭素」を取り上げた。脱炭素関連制度への対応に加え、分散型電源や蓄電池の活用を通じたエネルギー利用の高度化など、企業が取り組むべき実践的なテーマを幅広く扱った。

〔参照〕
▷エナリス脱炭素サミット2026「脱炭素“義務化時代”を生き抜く経営戦略」〜産官学の視点から紐解く、規制対応のリアルと事業継続のためのロードマップ~