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【蓄電関連】オムロン:太陽光・蓄電池・V2Hを一括制御、新築GX ZEH対応のトリプル蓄電システム投入へ―業界最大12kWで高速EV充電も

2026.10.08

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オムロン ソーシアルソリューションズ(OSS)は10月8日、太陽光発電、蓄電池、電気自動車(EV)の電力を一体的に制御する住宅向けトリプル蓄電システム「KPTP-Bシリーズ」を発表した。2027年1月から順次発売し、今後3年間で累計15万システムの販売を目指す。同日開催したメディア向け発表会では、エネルギーソリューション事業本部の担当者が製品の特徴や開発背景、市場展望を説明した。

電気料金の高騰や自然災害に備えた住宅のレジリエンス強化に加え、2027年4月から適用される新たな省エネルギー住宅基準「GX ZEH」、中長期的なEV普及を見据える。太陽光発電設備だけの導入から、蓄電池やV2H(Vehicle to Home)を段階的に追加できる拡張性を特徴とし、住宅の新築・既築双方の需要を取り込む。

■3つの機能を1台に集約、設置機器数を半減

新製品は、太陽光発電、定置用蓄電池、EVとの充放電を1台のパワーコンディショナーで統合制御するシステム。主な構成機器は、トリプル蓄電パワーコンディショナー、蓄電池ユニット、トリプル蓄電用EVユニット、計測機能付き全負荷用分電盤の4種類。

機器の小型化とシステム構成を簡素化した。従来製品では停電時に住宅全体へ給電する全負荷ハイブリッドシステムの構築に6ユニットを必要としていたが、新製品ではパワーコンディショナー、蓄電池、分電盤の3ユニットで対応する。V2Hを加えたトリプル制御構成でも4ユニットに抑え、同社調べで業界最少の構成を実現した。

通信・計測機能を分電盤に内蔵し、従来必要だった外付けゲートウェイなどを削減。機器間の配線を減らすことで、設置スペースの確保だけでなく施工負担の軽減も図った。

パワーコンディショナーは従来製品と同等のコンパクトな筐体を維持しながら、停電時の自立出力を従来の4kVAから6kVAに向上。接続可能な太陽光パネル容量も4回路で最大10kWまで拡大し、大容量パネルへの対応力を高めた。

蓄電池は1台9.7kWhで、2台構成による19.5kWhへの拡張に対応する。同じ製品で屋内・屋外のいずれにも設置できるほか、パワーコンディショナーには重塩害地域向け仕様も用意する。

■EV普及を見据えた段階的導入、最大12kW充電も

当初は太陽光発電と蓄電池を中心に導入し、将来EVを購入した段階でV2Hを追加するなど、生活環境の変化に合わせてシステムを拡張できる。

V2Hには一体型と分離型を用意。分離型は、住宅の壁面と駐車スペースが離れている場合でも、プラグホルダーやスタンドを活用して柔軟に設置できる。

電力制御は、太陽光発電の余剰電力を定置用蓄電池とEVに同時充電する機能を搭載。柔軟な充放電設定で、日中にEVを使用する家庭では、昼間に蓄電池へためた電力を帰宅後のEVへ移し替えるといった運用も可能。系統連系時に加え、停電時の自立運転でも電力融通に対応する。

EVへの充電出力は最大12kWで、一般的なV2Hの6kWに対して約2倍の充電能力を持つ。同社調べで業界最大出力。急な外出にも対応する高速充電機能として訴求する。トリプル蓄電用EVユニットは2027年秋ごろの展開を予定。

現状の市場について「EVの普及は進みつつあるものの、住宅用エネルギーシステムは太陽光発電と蓄電池を組み合わせた構成が主流」との認識を示した。フル導入だけでなくEV導入後にV2Hを追加する需要も見込む。

■新築GX-ZEHが追い風、HEMS機能を分電盤に内蔵

来年2027年4月から適用される新たな定義「GX ZEH」への対応が鍵となる。新基準では新築戸建て住宅に高度エネルギーマネジメントと蓄電池の導入が求められ、従来の省エネルギー性能に加え、創出した再生可能エネルギーを住宅内で効率的に利用する自家消費が重視される。

新製品は、エネルギーマネジメント対応の計測機能付き全負荷用分電盤に、HEMS(家庭用エネルギー管理システム)相当の機能を内蔵。追加のHEMS専用機器を設置することなく、蓄電池の導入と高度エネルギーマネジメントの双方の設備要件に対応。

通信規格「ECHONET Lite」を通じてエアコンやエコキュート、EV普通充電器などと連携し、機器の稼働状況や消費電力量を可視化する。運転のオン・オフや設定変更にも対応。専用スマートフォンアプリからも発電量や蓄電池残量を確認できる。

新築住宅におけるGX ZEHの導入拡大を市場成長の契機と位置付ける一方、既築住宅への後付け需要も引き続き取り込む方針が説明された。単機能全負荷タイプも用意し、既設の太陽光発電用パワーコンディショナーを活用した蓄電システムの併設にも対応していく。

■JC-STAR取得予定、3年間で15万システムへ

ネットワーク接続機器のセキュリティ対策も進める。新製品でもIoT製品のセキュリティ要件適合評価制度「JC-STAR」適合ラベルの取得を予定。従来製品での取得実績を踏まえ、発売までの対応を目指す。

住宅関連補助制度では機器のセキュリティ要件が強化され、2026年度のGX志向型住宅向け補助制度でも、一定の条件下でJC-STAR適合製品の使用が必須となっていた。

販売目標は発売から3年間で累計15万システム。同社は国内の家庭用蓄電システム市場でトップレベルのシェアを持つ。EV需要については、現時点で蓄電池市場ほど普及が進んでいないものの、購入補助制度の充実などを背景に中長期的な拡大を見込む。

新築GX ZEHへの対応を入り口に、既築住宅の設備更新やV2Hの後付けまで、住宅のエネルギー利用を長期的に支える製品として展開していく。

〔参照〕
▷暮らしに合わせてシステムを拡張でき、家庭内の電力をかしこく活用するトリプル蓄電システム「KPTP-Bシリーズ」を発売