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【ルポ】 次世代自動車の祭典『Japan Mobility Show 2025』を徹底分析! 再エネ・EV&V2H視点で巡る自動車業界の「今」と「未来」

2025.11.30

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太陽光発電を中心に脱炭素領域にフォーカスする専門メディア『みんなの広報宣伝部』では、業界識者のみなさまに寄稿いただくことで様々な観点から市場動向を観察していきます。

今回は太陽光発電だけでなく建築、自動車、通信、家電といった業界横断的なシナジー創出をめざす再エネ企画の辻 代表によるJapan Mobility Show 2025の現地ルポをお届けします。

再エネ・EV&V2H視点で巡る!自動車業界の「今」と「未来」とは―?

先日、東京ビッグサイトで開催された「Japan Mobility Show 2025」のプレスデーに参加しました。

私は再生可能エネルギー事業に携わりながらEV関連のプロジェクトにも関わっており、今回は業界動向の視察も兼ねて会場を回りました。

当日は、モビリティ専門家に同行いただき、各社のプレスブリーフィングを聞いて回るスケジュール。開場前から多くのプレス関係者が詰めかけ、注目の高さが伺えました。

本記事では、会場の熱気とともに、再エネ・EV視点で注目したポイントをご紹介します。

■トヨタは技術よりも「在り方」を語り、ホンダは陸・海・空・宇宙へと広がる世界観を魅せる

南棟1フロアを占有する巨大ブースには、TOYOTA・DAIHATSU・LEXUS・CENTURYの4ブランドが集結。驚かされたのは、電動化や自動運転といった技術スペックではなく、「ブランドの歴史・哲学・立ち位置」をメインテーマに据えていた点です。トヨタという企業の根幹にある思想に触れる貴重な時間となりました。

対照的にホンダ・三部敏宏社長のスピーチからは哲学ではなく現実路線、電動化への本気度がひしひしと伝わってきました。「N-VAN e:」「N-ONE e:」と続くラインナップに期待が高まります。

クルマだけでなく、ロケットやホンダジェット、大型船外機の展示もあり、まさに「モビリティ(移動)」の可能性を全方位で追求している姿が見て取れました。

■「家」と「クルマ」がつながる未来、スズキのEVシフトに驚愕

日産ブースには、新型エルグランドやパトロール、さらに新型リーフやアリアといったBEV(バッテリーEV)が勢揃い。中でも注目は住宅を模した展示です。

太陽光発電、蓄電池、V2H(Vehicle to Home)の連携をアピールし、再エネ業界の視点からも非常に興味深い内容でした。「クルマがエネルギーインフラの一部になる」という未来が現実味を帯びてきています。

個人的に最も驚かされたのがスズキ。ここまでEVシフトが進んでいるとは!JR新大阪駅や様々な場所で掲出される「e VITARA」をはじめ、本腰を入れて電動化を進めていることを実感しました。

■物流クライシスを救う「自動運転トラック」と道路そのものが動く?!「自動物流道路」

モビリティそのものだけでなく社会課題解決という視点も。近年、再配達問題を筆頭に物流課題、ドライバー不足を解決する切り札として注目される自動運転。T2社はレベル4自動運転トラックの開発を進めており、会場では実際に公道実証などで使用されている大型トラックを展示。その迫力と未来への期待感で多くの人を集めていました。

またCUEBUS(キューバス)社は、なんと車両にモーターもバッテリーも積まない、リニアモーターを活用した「自動物流道路」というコンセプトを提示。道路側が動力を持ち、無人でモノを運ぶという、まさに発想の転換による次世代インフラ技術といえます。

■注目の次世代モビリティ企業!多様化するプレイヤーたち

このほか、三菱のアウトランダーPHEVやオフロード展示、マツダ、メルセデス・ベンツ、BMW、MINI、BYDなど、大手メーカーの展示も見どころ満載でした。

しかし今回の『Japan Mobility Show 2025』で特に強く感じたのは、「自動車業界への参入障壁が下がり、多様なプレイヤーが参入している」という点です。

例えば、商用軽バンをゼロから作ったベンチャー企業「ASF」や、家電メーカーの「シャープ」が部屋にもなるEV「LDK+」を2027年の発売を目指して展示していたのが印象的でした。業界の垣根を超えた動きが加速していると言えそうです。

今回のJapan Mobility Show 2025は、単なる“自動車展示会”ではなく、再エネ・EV・V2Hといったエネルギー領域を含めた 社会インフラの変革を可視化する場 になっていました。

大手メーカーから新興ベンチャーまで、多様なプレイヤーが競い合いながらも共通していたのは、「クルマを中心に人・家・街がつながる未来」を描いているという点です。

再エネとモビリティが融合することで、私たちの暮らしはよりスマートに、より持続可能に進化していくはずです。

今回の視察で感じた熱量は、その未来がすでに始まっていることを強く示していました。今後の展開を継続的に追いかけていきたいと思います。

〔参照〕
再エネ企画
【現地レポ】Japan Mobility Show 2025で見たT2の本気度。その先に見えた「再エネ×自動運転」の巨大な未来地図
【現地レポ】Japan Mobility Show 2025で目撃した「物流の革命」。CUEBUSが描く「自動物流道路」とエネルギーの未来

【執筆者紹介】
株式会社再エネ企画 辻 基樹 代表取締役
太陽光発電・蓄電池・EV・V2H を中心とした再エネ導入支援や事業開発、異業種アライアンスの構築に携わる。建築分野の経験と再エネの専門性を活かし、「再エネをつくるだけでなく活かす社会」づくりを推進。企業の脱炭素化やEV活用の現場に伴走する実践型コンサルタント。