【独自】サンテックパワージャパン:国内最古参級、老舗太陽光発電メーカーが打ち出す「100年企業構想」とは?
日本における太陽電池普及の歴史は国内ブランドだけの貢献ではない―。創業から半世紀以上。最古参の1社に数えられる老舗サンテックパワージャパンは「100年企業」をめざすと共に『太陽光+α』戦略を打ち出す。その秘策とは。
同社は1967年に創業した旧MSKを前身とする老舗企業。まだ市場が確立されていなかった黎明期の80年代より太陽電池パネルの販売に着手。90年代には大手ハウスメーカーと共同で屋根建材一体型(BIPV)を開発すると共に太陽光発電システムを展開するなど業界を創り上げてきた1社と言っても過言ではない。
その後2006年に大手メーカーであるサンテックパワー社のグループ会社となり09年よりサンテックパワージャパンとして。社名の変更はあるものの米澤慶信執行役員は「日本市場で培われたノウハウや文化、販売・サポート体制は今も脈々と受け継がれています」と説明する。
創業の地である長野県には現在も技術開発、品質管理、アフターサポートなどを手掛ける『長野テクニカルサポートセンター』を構え「長期信頼性と安全性を追究している」と話す。
「全国約100名体制」「問い合わせに対して迅速に対応する『クイックレスポンス』の導入」などきめ細やかな対応が奏功し、住宅分野においては近年大手ハウスメーカーに採用が相次ぐ。出荷規模200~300MWのうち1割以上が新築向けに相当するという。
東京都・川崎市をはじめとする地方自治体の太陽光発電設置義務化やZEH普及の流れを受け需要増加が見込まれる。
今後の戦略について「発電所の建設効率や収益性の向上を背景に、世界的に太陽電池パネルが大判化している。一方で当社は日本の狭小住宅屋根にマッチする小型パネルや建材一体型を日本国内で設計・開発し準備を進めています。また、自家消費時代に沿った住宅向け蓄電ソリューションもラインナップするとともに、系統安定化を目的とした大型蓄電システムの提案も強化しています」と述べた上で「日本市場の潜在・顕在ニーズに対し丁寧に柔軟対応していくこと。それが半世紀にわたり事業を展開してきた歴史であり、100年企業への道筋、+α戦略の真髄です」との方針を語った。
〔参照〕
▷サンテックパワージャパン
▷沿革
▷長野テクニカルサポートセンター