【政策】経済産業省:蓄電池の供給網強化へ優先約定案 非化石価値取引の価格見直しも議論

(出典:HPより)
経済産業省は3月4日、「総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会 制度検討作業部会(第112回)」を開催し、長期脱炭素電源オークション、容量市場、非化石価値取引など電力市場制度の見直しについて議論した。蓄電池のサプライチェーン強靱化を踏まえた入札制度の見直しや、非化石証書市場の価格制度の調整などが主要論点となった。
長期脱炭素電源オークションでは、蓄電池の調達方法について制度変更の方向性が示された。第3回入札ではセル製造国の集中を防ぐため「特定国30%制限」が導入されているが、実際には特定メーカーが各国に製造拠点を持つため、特定国企業への依存が続く可能性が指摘されている。こうした状況を踏まえ、第4回入札では「経済安全保障推進法」に基づく供給確保計画の認定を受けたメーカーが製造したセルを使用する蓄電池案件を優先的に約定する案が示された。対象はリチウムイオン蓄電池などとし、この制度を適用する場合はセル製造国30%制限ルールは適用しない方向とされた。
また、蓄電池の事業規律として、IoT機器のセキュリティ認証制度「JC-STAR」などのサイバーセキュリティ対策や、サプライチェーン強靱化の取り組みを評価要件とする方向性も議論された。系統用蓄電池の導入拡大が進むなか、エネルギー安全保障の観点から供給網の安定確保を制度に組み込む狙いがある。
電力市場制度では、容量市場の指標価格(Net CONE)や上限価格の見直しについても検討が進められた。電源新設を促進する観点から影響緩和措置を含めた制度設計を議論するとともに、需給バランス評価委員会の算定結果を踏まえ、目標調達量算定に用いる諸元の見直しも論点として提示された。具体的にはEUE算定の月別細分化や計画外停止率、年間計画停止可能量の見直しなどが検討対象となる。
非化石価値取引では、FIT証書市場の価格制度の見直しが議題となった。現行制度ではFIT証書市場の下限価格(0.4円/kWh)が非FIT証書市場(0.6円/kWh)より低く設定されているため、FIT電源の環境価値が優先して取引される状況が生じている。今後FIT電源が減少することを踏まえ、2027年度以降はFIT証書市場の下限価格を0.6円/kWhへ引き上げ、非FIT証書市場と同水準にする案が提示された。
さらにFIT証書市場の上限価格(4.0円/kWh)については、第3フェーズ中に撤廃する方向も検討課題となった。コーポレートPPAなど中長期の環境価値取引を促進する観点から、価格上限が市場形成の阻害要因となっているとの指摘があるためだ。今後はFIT証書を非FIT証書の代替手段として活用する仕組みの見直しとあわせ、制度の最適化を進める方針とした。
政府は電源投資の促進と再エネ導入拡大を両立するため、電力市場制度の見直しを段階的に進めている。今回の議論を踏まえ、蓄電池や再エネ電源の導入環境を整備するとともに、電力供給の安定性とエネルギー安全保障の強化を図る。
【出典】
▷第112回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会 制度検討作業部会
※本記事は一次情報をもとに生成AIを活用した要約です。詳細は公表資料をご確認ください。