【講演】ダイヤモンドエレクトリックHD:蓄電新製品「恵比寿八」訴求―再生の歩みと成長戦略を発信

ダイヤモンドエレクトリックホールディングスは3月17日、東京ビッグサイトで開かれた「第19回国際スマートグリッドEXPO」のオープンセミナーに登壇し、住宅用ハイブリッド蓄電システムの新製品「EIBS No.8(恵比寿八(通称:エビハチ)」を披露した。会場は総座席数60席を上回る来場者で埋まり、立ち見も出るなど関心の高さをうかがわせた。
登壇した小野有理代表取締役CEO兼グループCEOは、製品説明にとどまらず、自社の企業再生の過程とものづくり戦略を重ね合わせながら講演を進めた。2016年以降の経営危機や事業再生を振り返りつつ、厳しい局面でも雇用を守り、技術基盤を維持してきたことが現在の新製品投入につながったと強調した。
同社は自動車機器、電子機器、エネルギーソリューションの3事業を展開する。講演では、この「3本柱」が再生の支えになったと説明。自動車分野で培った高い品質要求への対応力や電力変換技術が、家庭用蓄電システムの開発にも活されているとの見方を示した。点火コイルや電動車向け電力変換装置、住宅関連機器など複数領域の技術を横断的に活用することで、エネルギー分野の競争力を高めてきた構図が浮かぶ。
■「車と家をつなぐ」構想の中核に、住宅用ハイブリッド蓄電池
今回前面に押し出した「恵比寿八」は、同社が長年展開してきた蓄電システムの新機種にあたる。小野社長は、従来シリーズを知る顧客や販売現場への感謝を示しつつ「足掛け7年、お待たせしました」と述べ、新製品投入の意義を強調した。家庭の電力利用を拡張し、停電時や非常時への備えにもつながる製品として訴求したほか、寒冷地での屋外設置に対応する点や、小型化と高出力化を図った点にも触れた。
同社の中長期経営計画「炎のスクラム」は、「車と家を地球環境に資するものづくりでつなぐ」を掲げる。講演でもこの理念が繰り返し語られ、住宅用蓄電システムを単独商材としてではなく、自動車関連技術やV2H、家庭向け電力マネジメントまで含めた広い構想の一角に位置付けた。自動車や電力大手との共同開発実績にも言及し、外部企業との協業を通じて技術力を高めてきた経緯も紹介した。
足元では電子機器事業の停滞などから中計の進捗にやや遅れもあるが、自動車機器の回復とエネルギーソリューション事業の新製品投入を成長の起点とする考えを示した。企業再生の物語を製品の信頼性や開発力に結び付けながら、市場に再び存在感を示す場となった。今回の講演は、単なる新製品紹介にとどまらず、同社が蓄電池市場で再攻勢に出る意思を業界関係者に印象付ける内容だった。

〔参照〕
▷ダイヤHD【お知らせ】第19回国際スマートグリッドEXPOにおけるオープンセミナーへの登壇について<続報>