【調査】住宅生産振興財団・住宅展示場協議会:住宅は「脱炭素」から「生活防衛」へ ――ZEH・レジリエンス・平屋に見る住まい価値の転換
(出典:HPより)
住宅展示場協議会が公表した「総合住宅展示場来場者アンケート2025」は、住宅市場における価値観の変化を浮き彫りにした。脱炭素や省エネといった理念的なテーマを超え、家計、防災、将来の暮らしをどう守るかという“生活防衛型住宅”への関心が強まっている。
調査では、ZEH、レジリエンス住宅、平屋といったキーワードがいずれも高い関心を集めたが、その背景には共通する生活実感がある。光熱費の上昇、自然災害の頻発、家族構成やライフステージの変化といった不確実性が、住宅選択の軸を大きく動かしている。
■ZEHは「環境」から「実利」へ評価軸が転換
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の認知度は、内容理解層が41.5%、名称認知を含めると71.1%に達し、制度としての浸透は一定の水準に到達した。一方で導入・採用意向は56.8%と6割弱にとどまり、理解と実装の間には依然として距離がある。
注目されるのは、ZEHへの関心理由が「環境配慮」よりも「光熱費削減」や「室内の快適性」、「補助金制度」といった実利面に集中している点だ。住宅購入者にとってZEHは、脱炭素の象徴というよりも、暮らしを安定させる手段として受け止められている。
非導入理由では「初期費用の高さ」や「メンテナンス費用」が上位を占め、コストへの不安が導入の壁となっている。ただしこれは単なる価格の問題ではなく、将来のエネルギー価格や制度継続性への不透明感が心理的なハードルを高めているとも言える。ZEH市場は、普及段階から「納得の段階」へと移行しつつある。

■レジリエンス住宅は“言葉より中身”が先行
自然災害を意識した家づくりへの関心は、地震、台風・豪雨、火災のいずれも9割を超え、住宅検討の前提条件になった。一方で「レジリエンス住宅」という言葉の認知は、名称認知を含めても3割に満たず、概念としては浸透していない。
しかし中身を見ると、住宅購入者の意識は極めて明確だ。関心が高い機能は「地震被害の軽減」「停電時の電力供給」「在宅避難時の温熱環境」と続き、命を守る構造、安全に暮らし続ける電力、生活の質を保つ断熱という順序が浮かび上がる。
実際の防災行動では、ハザードマップ確認など情報面の備えは進む一方、耐震診断や備蓄といった実践的対策は伸び悩む。住宅に対しては、設備単体ではなく、災害時の暮らし全体をどう設計するかが問われ始めている。レジリエンスは概念としてではなく、生活シナリオとして語られる段階に入った。

■平屋人気は「憧れ」より「合理性」
平屋住宅については、「住みたい」とする回答が52.9%と半数を超えた。階段がない安心感や生活動線の単純さといった評価が突出しており、デザインや流行よりも、日常の負担を軽減する合理性が支持されている。
年代が上がるほど需要は高まるが、若年層でも約半数が平屋志向を示しており、老後住宅にとどまらない広がりを見せる。一方で最大の課題は「広い土地が必要」という制約で、平屋は立地条件によって成立可否が左右される住宅形態でもある。
平屋はワンフロアでの生活が可能なため、温熱環境の均一化や在宅避難のしやすさなど、ZEHやレジリエンスとの親和性が高い。平屋は単独の住宅タイプではなく、複合価値を生む基盤として再評価されている。

■住宅選択は「生活防衛」の設計へ
今回の調査が示したのは、住宅価値の重心が大きく移動している現実だ。かつて重視された立地やブランドに加え、いま求められているのは、災害時やエネルギー高騰といった不確実な局面にどう備えるかという視点である。
ZEHは家計を守り、レジリエンス住宅は命と生活を守り、平屋は将来の暮らしを支える。三者は別々の概念ではなく、「生活を守る住宅」という一本の軸で結びつき始めている。住宅市場は、環境配慮から一歩進み、暮らしそのものを防衛する段階に入ったと言えそうだ。
【出典】
▷総合住宅展示場来場者アンケート 2025調査報告書(Web版)-レジリエンス住宅&平屋住宅について-
※本記事は一次情報をもとに生成AIを活用した要約です。詳細は公表資料をご確認ください。