【ゼミ】スマートホーム最前線:もう人間は何もしなくていいのかもしれない!? X-HEMISTRY & プレイド「CES2025報告会」開催
朝、時計のタイマーとともにベットが起床をサポート、眠気眼に窓ではカーテンが開き「おはよう」と言うと「オハヨウ」という家の応答と共に照明がつき、ご機嫌な音楽が流れてくる。食事は今の健康状態に適したレシピが提案され、気づけば掃除が始まっている・・・。そんなちょっと近未来の世界が実現間近らしい。
スマートホームに関する事業開発のコンサルティングおよび伴走支援を行うX-HEMISTRYとデータ解析を中心にSaaSビジネスを展開するプレイドは1月30日、「CES2025報告会」を開催。最新情報とプロによる見解を入手すべく業界関係者100名近くが会場(GINZA SIX)に駆けつけた。
「CES:Consumer Technology Association 通称:セス」はラスベガスで毎年1月に開催される世界最大級のテクノロジー見本市。X-HEMISTRYの新貝文将CEOは「接続しにくい、設定が難しいといった課題が『Matter』『Aliro』といった通信規格の登場により解消されつつあり『Smarthome2.0:誰でも簡単に接続できて快適な環境が実現する』へと向かいつつある」と所感を展開。
特に今回のCESでは『Matter』を見かけないブースはなかったという。『Matter』とはApple、Google、Amazon、Samsungなど巨大企業が参画するスマートデバイスの統一規格。QRコードを読み込むだけでさまざまなデバイスをつなげることができるというもの。新貝氏はこの規格を展開するConnectivity Standards Allianceの日本支部代表を務めている。日本国内での採用事例は少ないが大手企業やスタートアップを中心にじわりと浸透し始めている。

(出典:HPより)
近年、CESではスマートホーム関連のサービス・機器が増加しているが「さらにその先のWi-FiセンシングやUWB、生体認証技術などアンビエントセンシングとAIが融合した世界観が垣間見えた」と話す。
例えば冷蔵庫。AIカメラを搭載し内部の食料を認識。調理可能なレシピを提案するといった技術は既にあったが、健康データを組み合わせることで状況判断され最適な献立がレコメンドされる。将又、空間に飛んでいるWi-Fi。ヒトや物質を避ける特性を活かし、どこで何をしているか、どんな状況かを判定。
プライバシーを守りつつ見守りに応用。リビングにヒトが来たと認識すればエアコンや照明のトリガーにも。家電などのデバイスが単体ではなく共鳴していく。まさに「家と会話」するかのような世界。実際にはデモ機やプロトタイプであると説明を受けたというが「ほとんど実現できるのではないか」との旨を述べていた。
一方で、自宅に100近くのスマートデバイスを実装し研究を重ねるプレイドの織田未来Customer Experience Designer 兼 ライフテックコーディネーターは「技術は進歩しているがスマートではないことが多い」と実践経験について談笑した。というのもコンセントがデバイスの設置面での制約に。ケーブルが乱立する、アプリが纏まらない。充電し続けなければならないといったメンテナンス問題がまだまだあるという。
最後にプレイドの大畑充史Datahub 事業責任者 / パートナービジネス責任者は「今後もデータを活用し価値を最大化していくことが重要」とコメントした上で両者はスマートホーム・IoT領域に関する事業開発などで協業していくことを明かした。
夢のような世界は近くてまだ遠い。とはいえ着実に進化していることは確かなようだった。

会場では「Matter」のロゴを冠したオリジナルクラフトビールが振る舞われた
〔参考〕
▷唯一(※)のスマートホーム特化型「CES2025報告会」1月30日(木)に開催
▷Connectivity Standards Alliance日本支部を設立
▷CES2025
▷X-HEMISTRY
▷プレイド