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【独自】 IBeeT:家庭から産業・系統用まで初期費用ゼロ円の太陽光発電・蓄電リース展開、一気通貫の分散電源プラットフォーム構築めざす

2025.05.20

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設立から4年。太陽光発電・蓄電リースを展開してきたIBeeT(アイビート)はどこへ向かうのか。今春から新たに舵取りを担う齋藤 太希 新社長に今後の方針について訊いた。

同社は、2021年4月に伊藤忠商事と東京センチュリーの共同出資(各50%)により設立。太陽光発電や蓄電池などの分散型電源を住宅用、産業用(工場・公共施設、商業施設)、系統用など幅広い分野へ普及するべく、初期費用ゼロ円モデルを展開する。

住宅用サービスの「Beeフラット」は、家庭用の太陽光発電システムと蓄電池を月額定額で提供し、15年間の契約期間終了後には、太陽光発電・蓄電システムが無償譲渡されるというもの。V2X、ソーラーカーポート、エコキュートなど各種ラインナップも拡充してきた。「WEBサイトからの集客だけでなく、各協同組合との協業により潜在顧客に訴求を図っている」という。

盛り上がりを見せる法人向けにも注力。太陽光発電導入にあたっての初期費用ゼロ円モデルは第三者所有(TPO:Third Party Ownership)とも呼ばれ、大きく分けて2種類ある。ひとつは「リース型」。利用者は太陽光発電設備や蓄電池を一定期間借りる形で月額リース料を支払う。一方は「PPA型(Power Purchase Agreement:電力購入契約)」。発電設備は第三者(事業者)が所有し、利用者は発電された電気を使用量に応じて購入する。初期投資のハードルを下げ、再エネ導入の加速に寄与するものとしていずれも注目度が高い。同社は顧客のニーズに応じて、「リース型」「PPA型」を柔軟に提案する。

IBeeTがめざす世界観

蓄電池に関しては、伊藤忠商事が開発した産業用・系統用蓄電池「Bluestorage」シリーズを取扱。産業用主力のEnerS-50(100kWhタイプ/200kWhタイプ)は、スリムなシルエットで60kWの高出力。企業のBCP(事業継続計画)対策やCO₂排出削減ニーズのみならず、企業や自治体の防災対策ニーズにも対応。

産業用のみならず系統用蓄電池の普及も各パートナーと協業して加速。24年6月には西日本鉄道と自然電力が設立した「西鉄自然電力合同会社」による「西鉄自然電力 バッテリーハブ宇美」(出力:1.92 MW 容量:4.659 MWh)が同社蓄電所リースの第一号案件として運開をはじめた。同年末には第2号案件が稼働。東急不動産グループと共同で福岡県「御徳蓄電所」(出力20MW、容量56MWh)の大型蓄電池プロジェクトも進行中、運転開始に向け準備を進めている。

注力する産業・系統用蓄電池

今後の方向性は。IBeeTの齋藤 太希 新社長は「家庭用から産業用・系統用までを網羅するビジネスモデルは整った。設立当初から掲げてきたビジョンの構築をめざしていく。地域内での電力融通を可能にするエコシステムおよびサーキュラーエコノミーを創出するなど脱炭素と分散型エネルギー社会の早期実現に貢献していきたい」と話していた。

〔参照〕
IBeeT
系統用蓄電所「西鉄自然電力 バッテリーハブ飯塚」 運用開始のお知らせ
「西鉄自然電力 バッテリーハブ宇美」の開所式について
V2Xのリース取扱いを開始しました!
【リース取扱商材追加】 ソーラーカーポートのリースサービス開始のご案内
分散型電源のサブスクリプションサービスを提供する合弁会社設立について