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【政策】経済産業省・国土交通省・環境省:令和7年度補正予算3,780億円計上、新築GX志向型・ZEH・省エネリフォームを全面支援―3省連携『みらいエコ住宅2026』始動

2025.11.30

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(出典:HPより)


政府は11月28日、住宅の省エネルギー化を後押しする補助制度を盛り込んだ令和7年度補正予算案を閣議決定した。国土交通省、経済産業省、環境省の3省が連携し、住宅の新築からリフォームまでを幅広く支える「住宅省エネ2026キャンペーン」を展開する。エネルギーコスト上昇に強い経済構造への転換を狙う総合経済対策に沿った措置で、2050年カーボンニュートラルに向けた住宅分野の底上げを急ぐ。

■ 新築・改修を一体で支える「みらいエコ住宅2026」

中心となるのが、国交省と環境省が合同で実施する「みらいエコ住宅2026事業」。GX(グリーントランスフォーメーション)志向型住宅や長期優良住宅、ZEH水準住宅の新築支援に加え、住宅の断熱改修やバリアフリー化などを対象とする大型の補助金が組み込まれた。新築支援の予算規模は1,750億円、リフォーム分野には300億円を計上した。

■ GX住宅・ZEH・長期優良を対象に補助拡充

新築向けでは、全世帯を対象とした「GX志向型住宅」に110万〜125万円を補助するほか、子育て世帯や若者夫婦世帯には長期優良住宅で最大100万円、ZEH水準住宅で最大60万円を補助する仕組みを整えた。住宅性能の底上げに加え、家族層への優遇色を強める。対象住宅は原則50〜240㎡で、災害リスクの高い区域や一定の開発条件を満たさない場合は対象外とするなど、安全性にも配慮した。

■ GX志向型住宅に高水準の性能要件を設定

GX志向型住宅は、断熱等級6以上、一次エネルギー消費量の削減率35%以上(再エネ含む100%以上)を求める高い基準を設定する。HEMS(エネルギーマネジメントシステム)の導入を前提とし、建物と設備の一体的な省エネ化を促す。共同住宅では階数に応じ性能要件を変えるなど、都市部や狭小地への柔軟な対応も盛り込んだ。

■ 長期優良・ZEH水準住宅は等級5以上を要件に

一方、長期優良住宅とZEH水準住宅については、断熱等級5以上や一次エネルギー消費量20%削減などを求める。賃貸住宅については、子育て世帯向けに家賃を合理的に設定し、3カ月以上の限定募集を行うことなどを条件とした。新築の交付申請期間は、予算上限に達するまで(遅くとも26年12月31日)。ZEH水準の注文住宅のみ9月30日を期限とする。

■ 断熱窓改修に最大100万円 環境省が大規模支援

リフォーム分野でも3省が役割を分担する。環境省は断熱窓への改修を対象とする「断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO₂加速化支援事業」(1,125億円)を展開し、Uw1.9以下の高断熱窓などへの交換で最大100万円を補助する。新築・リフォームともにDRに対応したリソース導入支援として蓄電システムの設置に対しても併用可能な補助制度が予定されている。

■ 経産省は給湯器更新を後押し 賃貸向け制度も創設

経産省は高効率給湯器の導入促進(570億円)を担い、ヒートポンプ給湯器など一定基準を満たす設備への交換を支援する。寒冷地で電気温水器などを撤去する場合は加算措置を設け、光熱費負担の軽減と設備更新の同時促進を狙う。既存賃貸集合住宅向けには、エコジョーズ・エコフィールへの交換で5万〜7万円を補助する制度(35億円)も新設された。

■ 国交省は躯体・開口部の改修を支援 性能向上に段階的な補助

国交省は、開口部や躯体の改修など住宅全体の性能向上を図るリフォーム支援を担当する。リフォーム前後の性能に応じ、平成4年基準から平成28年基準相当への引き上げで最大100万円など、段階的な補助枠を設けた。子育て対応、バリアフリーなどの追加改修にも定額支援を加える。

■ 着工時期を統一 3省制度をワンストップ化

着工時期も明確化された。新築は基礎工事、リフォームは改修工事に令和7年11月28日以降に着手した案件を対象とする。断熱窓、給湯器などの補助も同日以降の着工が前提となる。複数の補助制度をワンストップで利用できるよう連携を強化し、生活者や施主側の負担軽減を図る。

住宅分野は家庭部門のエネルギー消費の3割を占め、温暖化対策の重要な柱と位置付けられる。一方で住宅性能の地域差や既存ストックの断熱不足が課題として残っており、今回の制度は「建てる」「直す」を一体で支援する構造に変わる。この仕組みが、世帯の負担軽減と企業の省エネ市場拡大にどうつながるかが焦点となる。

補正予算案は国会審議を経て成立を目指す。成立後は年間を通じ段階的に施策が実行される見通し。政府は省エネ住宅の普及を加速させ、エネルギー需給構造の転換と同時に地域経済への波及効果も狙う。

〔参照〕
住宅の省エネ化への支援強化に関する予算案を閣議決定! 国土交通省・経済産業省・環境省が連携して取り組みます!~省エネ住宅の新築、住宅の省エネリフォームを支援する 「みらいエコ住宅2026事業」を創設します~
※本記事の内容は11月28日時点の閣議決定資料に基づくものです。詳細要件は今後の発表に基づき更新・共有していきます。