【政策】農林水産省:営農型太陽光の「望ましい姿」明確化へ、規律強化と地域共生を軸に制度見直し

(出典:HPより)
農林水産省は営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)を巡り、農地の食料生産基盤を維持しながら再エネ導入を進めるための「望ましい姿」の整理を進めている。農地の一時転用許可を前提とする制度趣旨を踏まえ、営農の継続性を確認するための提出資料や許可基準の明確化を段階的に強化してきた。具体的には、設備設計図に加え、栽培計画や収支見込みを含む営農計画書、下部農地への影響に関するデータや知見者の意見、撤去費負担の合意書、毎年度の栽培実績・収支報告の提出誓約などを求める運用が整えられている。許可判断では、単収が同年同作物比で2割以上減少するケース、遊休農地で営農が行われないケース、品質の著しい劣化、実績報告の不備で営農状況が確認できないケース、日照や農業機械利用への支障が見込まれる設備条件などを不許可の判断材料として整理し、現場の裁量に依存しがちな部分の見える化を図る。
違反転用への対応も強める。農地法の改正により、転用許可期間中の定期報告を制度として位置付け、是正指導、勧告、許可取消や原状回復命令といった措置につなげやすい枠組みを整備した。命令に従わない場合の氏名等の公表も手段として用意し、履行促進や第三者への権利移動の抑止を狙う。再エネ特措法改正では、関係法令違反の早期解消を促すため、FIT/FIP交付金の一時停止措置を新設し、農林水産省から資源エネルギー庁への情報提供を通じた運用が進む。営農が適切に継続されない、許可満了後も設備が撤去されない、許可取得前に設置されるなどの事案に対して、交付金停止を含む対応が実施されてきた経緯も示されている。加えて、地域計画の協議の場での合意、都道府県機構への意見聴取や国への相談、現地調査への国の協力など、手続きフロー全体を通じた抑止と是正の仕組みが重層化しつつある。

一方で、規制強化だけではなく、地域と農業に資する「良い取組」を評価する物差しが不足しているとの問題意識が背景にある。検討会では、売電収益のみを目的に農業に参入する事例への警戒感が共有される一方、発電収益を農業投資に回し、ヒートポンプ導入や乾燥施設など農業のエネルギー自給に結び付ける取り組み、荒廃農地の再生や集落維持に資する地域貢献など、営農型の意義を広げる視点も示されている。品目を巡っては、地域で栽培され販売ルートが確立していること、食料安全保障の観点から食用作物を重視することが論点となる一方、地域性の強い作物まで一律に排除すれば多様性を損なうとの指摘も出ている。遮光率では30%前後が水稲の減収を2割程度に抑える目安との知見が蓄積されつつあるものの、品種や栽培管理、配置パターンなど要因が多く、遮光率だけで適否を判断しにくいとの声がある。機械作業の観点では支柱の高さ3メートル以上、間隔4〜5メートル程度を要するといった整理が議論に上がり、設備要件で不適切案件を淘汰しやすくする狙いもにじむ。

令和8年1月の第5回会合では、理念と形状・形態の考え方を整理し、農山漁村再生可能エネルギー法の基本方針に沿って自治体が適否を判断する方向性が妥当との意見が示された。遮光率30%未満を目安とする見方がある一方、30%をやや上回っても適正に営農が行われる例があるとの指摘もあり、硬直的運用への懸念が残る。新たな基準が取組の固定化につながり、前向きなイノベーションを阻害するおそれ、市町村のリソースや有識者不足で手続きが滞る懸念、研究機関による科学的知見の蓄積促進の必要性など、制度設計と現場運用をつなぐ課題も提示された。既存設備が新基準の枠に収まらない場合の扱いも論点で、設備変更が現実的に難しい中で、地域の特性を踏まえた受け皿づくりが問われる。利益還元についても、協力金だけでなく機械更新や地域貢献など多様な形が想定され、最低水準の設定が逆に金額の抑制につながる懸念が出るなど、単純な基準化には慎重論が強い。営農の確保を大前提に、地域合意、農業者の所得向上、撤去費用確保までを含む「地域共生型」の枠組みをどう制度に落とし込むかが、次の焦点となる。
【出典】
▷望ましい営農型太陽光発電に関する検討会(第5回)議事概要
※本記事は一次情報をもとに生成AIを活用した要約です。詳細は公表資料をご確認ください。