特集Original Content

【新春】日本ルーフレジリエンス協会、設立5周年の賀詞交歓会を開催 ―― 屋根の軽量・強靭化と太陽光連携で新たな市場創出へ

2026.02.08

X line


一般社団法人日本ルーフレジリエンス協会(JRR、横井敏昭代表理事)は2月6日、東京・大手町の「KAITEKI CAFÉ」で2026年賀詞交歓会を開催。会員企業や関係団体など約80名が参集した。屋根を起点としたレジリエンス強化と太陽光発電の普及を軸に、業界連携と新たなビジネス創出に向けた交流を深めた。

■ルーフアドバイザー210人突破、プラットフォーム機能が拡大

冒頭、挨拶に立った横井代表理事は、協会が2021年の発足から6年目を迎えたことに触れ、円安や資材高騰で経済の厳しい事業環境を踏まえつつ「ストック住宅6500万戸時代において、屋根の適正診断と改修は社会的テーマ。買取再販や中古流通の課題解決に協会として注力していく」と今後の方針を示した。

重点施策としては、ルーフアドバイザー制度のさらなる拡大、オンラインメディアを活用した情報発信の強化、中古住宅のレジリエンス事業・劣化評価基準の提案など。とりわけアドバイザー研修は当初目標の100人を大きく上回り、累計210人を突破。年内には250人規模への拡大を見込むと報告した。

続いて賛助会員を代表し、金属屋根材で国内トップシェアを持つルーフタイルグループジャパンの官野則勝部長が登壇。「太陽光義務化の流れの中で、屋根性能との整合がこれまで以上に重要になる。メーカーとして強靭な屋根づくりと施工品質向上に責任を持って取り組む」と述べ、太陽光メーカーとの協業による新たな施工スキームの構築にも言及した。

乾杯の発声は一般社団法人日本優良ビルダー普及協会(JGBA)の田島亮代表理事が担当。全国400社超の工務店ネットワークを紹介しながら「双方の団体が連携し、市場全体の発展を」と呼び掛けた。

■「太陽光は建物設置が主戦場に」――JPEA増川事務局長

基調講演では連携する一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)の増川武昭事務局長が登壇。増川氏はまず世界市場の拡大ぶりを示し「2024年の世界導入量は600GW(原発600基分相当)で10年前の約15倍に達した」と説明。再生可能エネルギーの中核として太陽光が急成長している現状を説明した。

一方、日本市場については「全体ではやや踊り場にある」としながらも、住宅用10kW未満だけは増加基調にある点を指摘した。第7次エネルギー基本計画では、2040年に電力の23%を太陽光で賄う目標が掲げられていることに触れ「現状の約3倍、建物設置では4倍以上に伸ばさなければ届かない。主戦場はメガソーラーから“屋根の上”へ明確に移っている」と語った。

現在、住宅への太陽光導入は累計約360万件、直近では年間22.5万件ペースで推移する。新築住宅の約3割が搭載する一方、既存住宅全体の1割強にとどまり「1000万戸規模の未開拓市場が残されている。新築6割目標と既築への後付けが両輪になる」との見方を示した。

屋根分野との連携については、太陽光の長期利用という観点から必然性を説く。金属屋根の軽量化は太陽光との相性が極めて良く、屋根改修と同時設置が最も合理的な選択肢になるとした。

政策面では、メガソーラーが規制強化やFIT縮小の影響を受けるのに対し「建物設置は依然として手厚い支援領域にある」と説明。初期投資補助スキーム、東京都などの自治体支援を例に挙げた。

リサイクル課題にも言及し、パネルの大半がガラス・アルミで再資源化は技術的に可能とし「まずはコスト低減を先行させる現実路線が重要」と整理。最後に「太陽光は目的ではなく手段。地域で使われ、暮らしを豊かにする形を屋根と一緒につくりたい」と締めくくった。

■「2026年は新旧交代と構造変化の年」――NHSA瀧本代表理事

続く講演では、一般社団法人全国住宅営業認定協会の瀧本真也代表理事が「2026年業界大予測」と題して登壇した。瀧本氏は開口一番「今年の意思決定が3年後の企業の姿を決める」と述べ、新築市場縮小と中古流通拡大という不可逆的な構造変化を指摘。

住宅市場をSカーブ理論で整理し、新築分譲・貸家は衰退期、リフォームは成熟期、中古買取再販・リノベは成長期と位置づけたうえで「成長市場ほど参入が増え、すぐ価格競争になる。次世代商品への転換がなければ生き残れない」と分析。新築の減少は景気の波ではなく人口動態に基づく構造問題であり、従来型のフルオーダー住宅は限界に来ていると断じた。

その処方箋として掲げたのが“企画×規格化”と“データ連携”。「注文住宅は見積もりが多く、クレームも増え、属人化しやすい。若手が育たずGXZEH義務化にも対応できない」と現場実態を語り「企画は売るためではなく、説明し信頼を得るための共通言語。ルールのある会社だけが持続する」と強調した。高価格帯が伸びる一方でローコストが苦戦している背景には、価格の理由を説明できる力の差があると分析した。

リフォームへの安易なシフトにも警鐘を鳴らした。「新築が厳しいからリフォーム、は最も危険。単価は低くクレームは多い。新築の業務フローを整えないまま参入すれば出血多量になる」と述べ、まずOB客の定期点検を軸に段階的に広げるべきと提言した。

今年の大きな分岐点として挙げたのが、大規模リフォームに関わる建築確認の厳格化だ。「確認申請は敵ではなく最大の武器。制度を理解し価値最大化できる会社が勝つ」とし、不動産と工務店が連携する買取再販モデルの可能性を紹介した。

IT化の遅れにも踏み込み「八百屋にもレジがあるのに、工務店はCADすら十分に使えていない」と辛口で指摘。GX時代には設計・見積・施工・アフターまでの一気通貫データ連携が必須になると訴えた。

最後に「3年後の姿を描く、何を“やめる”か決める、自社主義から共存共栄へ」の3点を示し「2026年は3年後を決める年。迷ったまま立ち止まってはいけない」と力強く締めくくった。

■異色の演出と次世代技術で締めくくり

懇親の合間には“マジシャン社長”として知られる中達也氏によるマジックショーが披露され、和やかな雰囲気に包まれた。締めの挨拶ではドローン・フロンティアの府川雅彦社長が登壇し、屋根点検におけるドローン活用の可能性と協会との連携強化に期待を示した。

〔参照〕
一般社団法人日本ルーフレジリエンス協会
ルーフタイルグループジャパン
一般社団法人日本優良ビルダー普及協会
一般社団法人太陽光発電協会
一般社団法人全国住宅営業認定協会
Naka Tatsuya Official Site
ドローン・フロンティア