【新春】太陽光発電協会(JPEA):2026年新春交流会――国際社会、政府方針に揺らぎなし。地域共生を軸に脱炭素と主力電源化加速

太陽光発電協会(JPEA)は1月14日、東京都内で2026年新春交流会を開いた。会場には業界関係者に加え、経済産業省、環境省、国土交通省の担当者が出席し、再生可能エネルギー政策の現状と今後の方向性を共有した。導入量の拡大を最優先してきた時代から、地域共生や環境配慮を重視する「質の時代」への移行が鮮明となるなか、太陽光発電を社会的信頼のもとで主力電源として定着させられるかが、会全体を貫くテーマとなった。
冒頭あいさつに立ったJPEAの沖津雅浩代表理事(シャープ社長CEO)は、世界各地で頻発する異常気象に触れ、「気候変動はもはや将来のリスクではなく、現実の脅威として顕在化している」と指摘した。国内でも記録的高温が相次ぎ、温暖化対策の遅れが人命や経済活動に直接影響を及ぼす段階に入っているとの認識を示した。
そのうえで、再生可能エネルギーの最大限導入は不可避としながらも、「単なる設備量の拡大では持続可能性を確保できない局面に入った」と強調した。地域との共生、自然環境への配慮、使用済み太陽光パネルのリサイクルなど、社会から求められる要請は急速に高度化している。太陽光発電が地域に根ざした電源として新たな価値を発揮できるかが、今後の成長を左右すると語った。
国際情勢についても、脱炭素政策が「計画」から「実行」段階へと移行している点を紹介した。世界平均気温の上昇が1.5度を超えたとの認識が共有されるなかでも、排出削減を着実に進めれば目標達成の余地は残るとの国際社会のメッセージは変わっていない。再エネ導入においても地域調和や環境配慮を前提とする考え方が主流になりつつあるという。
JPEAとしても、こうした潮流を踏まえ、業界の行動理念と行動原則を策定してきた。地域共生や生物多様性の保全を軸に、事業者が責任ある行動を取るための指針を明確化し、信頼回復と持続的成長の両立を図る。優良事例を顕彰する制度を通じ、前向きな取り組みを全国に広げる姿勢も示した。
重点分野としては、住宅や非住宅建築物の屋根置き太陽光、公共施設、営農型太陽光の着実な拡大を挙げた。さらに、垂直設置や水上設置など土地制約を踏まえた新たな設置形態についても、関係省庁や自治体と連携しながら展開していく考えを示した。

■再エネ主力電源化は堅持 政策は「選別と重点化」へ
続いて登壇した経済産業省資源エネルギー庁の小林省エネ・新エネ部長は、政府のエネルギー政策の現状を説明した。昨年2月に閣議決定されたエネルギー基本計画では、人口減少下にあっても、デジタル化や産業構造転換により電力需要は中長期的に増加すると見通している。脱炭素電源による安定供給の確保は、日本経済の成長戦略と直結する課題だと位置付けた。
その中で、「再生可能エネルギーの主力電源化は引き続き政府の中核方針である」と明言した。原子力か再エネかという二項対立ではなく、複数電源を組み合わせてエネルギー安全保障を確保する考え方が明確になっており、新政権下でもこの方針は揺らいでいないとした。
太陽光発電については、導入実績、コスト低減、技術進展の面で国内最大級の再エネ電源としての地位を確立していると評価し、今後も重点支援を続ける考えを示した。一方で、地域住民との摩擦や自然環境への影響が問題となった一部メガソーラー案件への対応として、政府が昨年末にまとめた対策パッケージにも言及した。
規制強化の側面が注目されがちだが、業界全体を否定するものではなく、地域共生が図られた案件への重点支援とセットで進める点を強調した。屋根置き太陽光については、次世代技術であるペロブスカイト型太陽電池も含め、都市部や建築物への導入を強力に後押しする姿勢を示した。
市場を巡り「逆風」との見方が広がることについては、導入初期の拡大フェーズを経て、市場が成熟段階に入り、事業者の実力が問われる局面に移行した結果との認識を示した。技術革新や価格低下、産業集積といった追い風は依然として存在しており、2026年は健全な市場形成と重点分野支援を両立させる年にしたいと述べた。
環境省からは、地球温暖化対策の切迫度がより強調された。杉井地球温暖化対策課長は、2030年目標まで残された期間が5年を切る中、「時間的猶予はほとんどない」と指摘した。短期・中長期の双方で削減効果が最も大きい手段として太陽光発電を挙げ、「太陽光なしに目標達成は困難」と明言した。
企業行動を巡る環境も急速に変化している。温室効果ガス排出量の開示は国際的に拡大し、脱炭素対応は事実上の義務となりつつある。スコープ3を含むサプライチェーン全体での削減が求められ、追加性のある再エネ導入が評価される流れが強まる中、太陽光発電の価値は一段と高まっている。
国土交通省からは、住宅・建築物分野における再エネの位置付けが示された。宮森建築環境推進官は、太陽光発電が省エネや脱炭素にとどまらず、災害対応力を高めるレジリエンス機能として重要性を増していると指摘した。新築住宅の省エネ基準適合義務化が全面施行されたことを「半世紀の節目」と位置付け、今後はさらなる性能向上と、建材製造から解体までを含むライフサイクル全体でのCO2削減を制度に組み込む考えを示した。

新春交流会では、太陽光発電を巡る政策と市場のフェーズ転換が明確に浮かび上がった。導入量拡大を最優先してきた時代は一巡し、今後は地域共生、環境配慮、追加性、信頼性といった「質」が主力電源化の前提条件となる。
一方で、政府各省の発言からは、再生可能エネルギー、とりわけ太陽光発電を中核電源として位置付ける方針に揺らぎは見られなかった。むしろ、2030年目標や企業脱炭素の要請を背景に、その重要性は高まっている。
量から質へ。太陽光発電はいま、成長産業としての次の段階に差し掛かっている。社会に受け入れられる形で主力電源として定着できるかどうか。その成否は、制度だけでなく、現場を担う事業者の取り組みと地域との関係構築に委ねられている。
〔参照〕
▷太陽光発電協会