【研究】東北大学:新膜分離で廃棄LIBから高純度リチウム回収技術を確立

(出典:HPより)
電動車普及を背景に急増するリチウムイオン電池の使用済み廃棄物をめぐり、資源確保と環境負荷の両面で課題が強まる中、東北大学が新たな回収手法を示した。工学研究科の研究チームは、薬品使用を最小限に抑えながら有価金属を高効率で抽出する膜分離プロセスを開発した。膜孔径や表面電荷、原液pHなどのパラメーターを詳細に解析し、リチウムのみを選択的に透過させる高選択性膜を設計。従来報告と比べ一桁以上高い分離性能を確認し、ナノろ過膜が持つ水和半径やイオン電荷の差異を利用した分離メカニズムの有効性を明らかにした。透過液を濃縮・再結晶化する工程により、薬品を追加せず純度99%超の電池級炭酸リチウムを得られる点も示し、環境負荷を抑えたリサイクル技術として実用化への展望が広がる。
世界的なLIB需要の拡大で、リチウムやコバルト、ニッケルといった資源の供給リスクが高まる一方、使用済み電池の処理は環境面の懸念を抱える。今回の成果は、既存の湿式処理に比べプロセスの簡素化と省薬品化を同時に進めるアプローチで、資源循環の高度化に向けた有効な選択肢となる見通しがある。研究論文は米国化学会誌Environmental Science & Technologyに掲載され、持続可能な電池サプライチェーン構築への貢献が期待される。
【出典】
▷危険な廃棄を資源の循環へ -新しい膜分離プロセスでリチウムイオン電池をごみにしない未来へ-
※本記事は一次情報をもとに生成AIを活用した要約です。詳細は公表資料をご確認ください。