【ゼミ】日本ルーフレジリエンス協会:これからの10年を予測する住宅改修座談会 開催
人口減少や新築住宅着工の減少が続くなか、住宅市場は「建て替え」から「再生」へと大きく転換しつつある。
こうした潮流の中、一般社団法人日本ルーフレジリエンス協会は9月26日、「加速する中古住宅再生 新たな仕組みがリフォーム市場を押し上げる」と題したオンラインセミナーを開催した。屋根改修を中心に住宅ストックの価値向上を目指す同協会が主催し、横井代表理事、リフォーム産業新聞の福田取締役、日本住宅保全協会の深川代表理事、同協会の亀谷事務局長が登壇。今後10年の住宅改修市場の展望を語った。参加者は約100社150人と、業界関係者の関心の高さを示した。
セミナーでは新築市場の縮小を背景に、リフォーム・リノベーション分野が今後の成長エンジンになるとの見方が示された。2000年代以降、大手家電量販店やハウスメーカー等が次々とリフォーム事業に参入。OB顧客だけでなく新規顧客の獲得合戦やM&Aが進んでいることが共有された。
近年、消費者ニーズが多様化し「価格」だけでなく「ポイント還元」などポイ活的要素を活用した集客・販促も広がっている。単なる提案だけでは差別化は難しく、わかりやすさや納得感も重要な要素であるという。
生成AIの登場も市場にじわりと影響を与えつつある。従来のSEO対策だけでは存在感を示せず顧客が地域の施工会社を自動で比較・選別する可能性もテーマにあがった。このほか、悪質業者の排除やクレーム対応の在り方など、業界が抱える課題についても活発な議論が交わされた。
協会が推進するのは、屋根の強靱化を通じた住宅の耐久性向上と資産価値の維持・向上。気候変動による台風・豪雪など自然災害の激甚化が進むなか、屋根被害への対策は急務とする。
太陽光発電の第三者保有モデル等と組み合わせることで、災害時も電力を確保する「シェルターと成り得る住まい」の普及も視野に入れる。協会は研修制度を通じ、営業担当者や施工者が屋根の状態を診断し、最適な提案ができる体制づくりにも力を注ぐ。
〔参考〕
▷一般社団法人 日本ルーフレジリエンス協会