【独自】novis × LONGi × Sungrow、新製品合同発表会 開催
脱炭素業界を牽引するnovis、LONGi、Sungrowの3社は10月2日、ホテルニューオオタニ幕張にて本格販売する新製品の合同発表会を開催。業界関係者と拡販に向けた戦略を共有した。
トップバッターはLONGi Solar Technologyの南洋社長。同社は2016年に設立された世界最大手ロンジグループの日本法人。まずは同社の概要から。
世界需要は2023年に400GWを超えたと推計されているが、このうちロンジグループは単独で67GWを超える太陽電池モジュールを出荷、原料に相当するウエハについては倍近い125GWを供給した。その生産能力も群を抜く。ウエハ170GW、モジュール120GWと世界需要のおよそ3分の1をカバー。正にトップランナーの1社といえる。
太陽電池セル変換効率においても数々の世界新を打ち立てている。直近ではペロブスカイト結晶シリコン・タンデムで34.6%を記録した。生産・技術ともに他の追随を許さない同社は日本市場において何を投入するのか。
それが今回、日本初披露となった「Hi-MO 9(ハイモ・ナイン:変換効率~24.43%/出力640~660W)」である。これはN型単結晶シリコン「TaiRay(タイレイ)」M11ウエハと、BC(バックコンタクト)技術「HPBC 2.0」を採用した新型モデル。流通するTOPConを上回る高効率・高出力・長期信頼性・実発電量、漆黒の外観を特長とする。
BCとは、セル表面の配線を無くし、太陽光の取り込みを最大化、効率と出力を大幅に向上させる技術。部分的な影による出力低下を抑制するなど次世代型の有力候補と目されている。TOPConとの違いについて「例えば300kWの発電所を20年稼働させた場合、金額ベースで162万円のプラス。実発電量は2%/月も異なる」と説明した上で、南洋社長は「信頼たる技術と確かな優位性。自信を持って提案していく」との旨を話していた。
【参考】
▷N型BC(バックコンタクト)技術を採用した新製品「Hi-MO 9」を展示会で日本初披露
続いて、Sungrow Japan 唐晨 営業部統括マネージャー。こちらもまた世界市場を牽引する1社。23年の実績は130GW超え。米国・欧州・中国など各エリアで3割位上のシェアをもつなど世界最大のパワコンメーカーとして知られる。発表されたのは、長らく投入が期待されてきた低圧案件向け単相分散パワコン「SG5.5RS-JP」。このほどJET認証を取得したことで本格販売を開始する。
その仕様は、最大変換効率98.2%/4系統入力/3MPPT回路搭載/最大300%過積載が可能/各系統入力電流12.5A/短絡電流16A/動作温度-25~+60℃/両面パネルに対応。この高い性能値に加え、20kgと軽量で一人での設置作業が可能、直流開閉器を1つに集約し、O&Mが容易であるなどの特徴がある。唐晨 営業部統括マネージャーは「低圧に関しては一部後発となるが、業界全体がWIN-WINとなるよう尽力していきたい」と述べた。
【参考】
▷低圧案件向け5.5kW 分散型パワーコンディショナ
最後はnovisの山口裕一社長が「待望の新登場!日本のすべての屋根に太陽光を」と題し、同社オリジナルの住宅用太陽光発電システムパッケージ「soluna(ソルーナ)」シリーズの第三弾となる「solunaFIT」を紹介した。
商品構成は3つ。日本初採用となるEGING PV製のN型TOPCon太陽電池をベースにパナソニック製パワコンとテスラの単機能蓄電池を組み合わせた「SOL(ソル)」、パナソニックまたは住友電工の創蓄連携を選択できる「LUNA(ルナ)」である。いずれもモジュール30年、システム機器15年、蓄電池10年保証が付帯。メーカー保証に加えSolvvy(ソルヴィー、旧社名:日本リビング保証)による延長保証とダブルの手厚いサポートがあり、主要信販会社5社のローンも適用可能。全国に複数の物流拠点を構えた在庫運用で即納対応していく。
今回、EGING PV製を採用した理由について山口裕一社長は「日本の狭小屋根に対応したコンパクトサイズで住宅屋根すべてに太陽光を普及させたいと考えた」との構想を話す。EGING PVは世界大手と比較し生産能力5GWと規模は小さいが第三者機関にて評価されたTier1メーカー。上海証券取引所上場企業でもあり「信頼性に申し分はない」という。
脱炭素領域において国内有力の大手商社。2024年3月期決算売上高は185億8900万円を記録。売上高200億円達成を目前に新たなパッケージ商品で事業拡大をめざす。
【参考】
▷日本の屋根にジャストフィット「solunaFIT」誕生!
新商品合同発表会のあとは有名芸人による余興を交えた懇親会が開催され、中締めはnovis安田拓也 営業本部長が感謝の意を述べ閉会となった。