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【市況】JEMA蓄電システム自主統計2024:対前年比102% 15.9万台、累計導入台数98万台突破

2025.07.13

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(出典:HPより)

定置用リチウムイオン蓄電システムの国内導入が拡大を続けている。日本電機工業会(JEMA)の2024年度自主統計によれば、系統連系型システムの年間出荷台数は15万8852台と前年比102%を記録。累計では98.2万台に達した。2013年度以降、市場は一貫して成長を続け、分散型電源としての定着が進んでいる。同自主統計はJEMA蓄電システム業務専門委員会への参加企業17社の集計結果。年間1万台規模を出荷する大手メーカーが加味されていないことから実態は既に累計100万台を突破したとみられる。

出荷容量ベースでは前年比113%の152.7万kWhに拡大。累計では802.3万kWhを突破した。出荷台数の伸びを上回る容量増加は、1台あたりの蓄電性能の向上と中容量帯への移行を裏付ける。実際、2024年度の平均蓄電容量は9.61kWhと、2016年度の7.09kWhから2.5kWh以上増加した。2015年度以降、一時的に平均容量が下がったものの右肩上がりの傾向にあり、大容量化する製品設計が主流となってきている。

容量帯別に見ると、出荷台数ベースでは「6~10kWh未満」が58.0%で最多となり次いで「10~20kWh未満」が33.2%を占めた。合わせて9割超が6~20kWhに集中し、家庭用の太陽光発電との連携や災害対策、電力ピークシフト用途に対応したモデルが主力を形成されている。「30kWh以上」の出荷構成比も徐々に上昇しており、2024年度は容量ベースで0.4%を記録している。

(出典:HPより)

系統連系型蓄電システム用パワコン(PCS)の出荷台数は、蓄電システム出荷台数と同数の15万8852台。累計では98万台を超え、システム普及とともにPCSも不可欠な基幹機器として機能している。PCSの入力方式の変化も見逃せない。蓄電池単独で動作する「シングル入力型」に対し、太陽光発電との直接接続が可能な「マルチ入力型」の構成比が年々上昇。2024年度は86.0%がマルチ型となり、シングル型の14%を大きく上回った。2016年度に両者の立場が逆転して以降、マルチ型が主流となり、太陽光と蓄電池を一体で運用するニーズが市場を牽引している。

固定価格買取制度(FIT)の満了を迎えた「卒FIT」市場での展開が進んでいるほか、新設では太陽光発電と蓄電池のセット販売が標準化しつつある。2027年度から始まる「GX ZEHシリーズ」では蓄電システムの導入が必須要件とされていることから蓄電市場のにぎわいは今後も続いていきそうだ。

【出典】
定置用リチウムイオン蓄電システム出荷実績データ(2024年度)
定置用リチウムイオン蓄電システム自主統計 調査概要
ZEH・ZEH-Mの定義の見直し結果(P.24/P.25)
※本記事は一次情報をもとに生成AIを活用した要約です。詳細は公表資料をご確認ください。