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【政策】経済産業省:FIP移行手続9月より迅速化、マッチングプラットフォーム新設、活用促進へ勉強会も

2025.08.13

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(出典:HPより)


経済産業省は、再生可能エネルギーの主力電源化と電力市場統合を加速させるため、FIT(固定価格買取制度)認定からFIP(フィードイン・プレミアム制度)認定への移行時に蓄電池設置を伴う場合の手続を簡素化・迅速化する新制度を9月1日から導入する。併せて、小規模電源も含むFIP制度の活用促進を目的に、アグリゲーターとFIP事業者をつなぐマッチング・プラットフォームを『なっとく!再生可能エネルギー』サイト上に開設。制度理解の浸透と関連プレーヤー間の連携強化を図るため、9月中旬から全3回の「FIP制度の活用促進に向けた勉強会」を開催する。

新制度では認定取得までの期間短縮と設置計画の効率化が可能になる。既存のFIT認定をFIP認定へ移行する際に蓄電池を新設する場合、従来は別々だった認定申請と蓄電池設置の変更認定申請を、FIP移行申請時に電子システムから行えるようにする。申請者は変更認定申請書や単線結線図、蓄電池の設置位置を示した配置図、仕様書などを参考書類として添付すれば、FIP移行認定の審査と並行して蓄電池関連書類の事前確認を受けられる。申請期限は従来通りだが、書類不備や記載誤りがあると認定不可となるため、提出精度が重視される。

(出典:HPより)


FIP制度は発電事業者が市場価格や需給状況を踏まえて発電を行う仕組みであり、需給調整や予測精度向上のためにはアグリゲーターとの連携が不可欠とされる。今回新設するマッチング・プラットフォームは、全国のアグリゲーター(特定卸供給事業者)が提供するFIP事業者向け需給調整プランを集約して掲載するもので、FIP事業者は条件やサービス内容を比較検討できる。掲載開始は9月中を予定し、参加を希望するアグリゲーターは事前登録が必要となる。

制度活用の裾野拡大を狙い、勉強会を3回シリーズで開催する。第1回は9月中旬、制度概要とFIP促進ロードマップやアクションプランを事務局と太陽光発電協会が紹介。第2回は発電事業者や金融機関を対象に、事業計画策定や資金調達に関する課題を非公開形式でヒアリングし、後日資料を公表する。第3回では、アグリゲーション・ビジネスや発電量・気象予測サービスなど、関連事業者による事例や技術動向が紹介される予定。資料や中継リンクは『なっとく!再生可能エネルギー』に順次掲載される。

(出典:HPより)


第7次エネルギー基本計画(2025年2月閣議決定)では、再エネの主力電源化と電力市場統合を進めるため、FIP制度の更なる普及が掲げられている。今回の手続迅速化とマッチング基盤整備、情報共有の場づくりは、分散型電源や小規模事業者を含む市場参加のハードルを下げるとともに、需給調整機能の底上げに直結する施策と位置づけられる。

【出典】
太陽光発電におけるFIP移行時の蓄電池設置手続に係る審査の迅速化について
アグリゲーターとFIP事業者のマッチング・プラットフォームを設立します
FIP制度の活用促進に向けた勉強会の開催について