【独自】あすかソリューション:次世代スマートメーター開発、太陽光発電のPPA事業者中心に累計1万台販売
脱炭素社会の実現に向けて。再エネ普及と同時に着目すべきは正確な計測と遠隔監視にある。次世代スマートメーターの開発を手掛ける あすかソリューションは太陽光発電の初期費用ゼロ円モデルPPA(Power Purchase Agreement)事業者を中心に累計1万台を販売。独自技術でエネルギー管理の最適化をめざす。
同社は2019年設立のスマートメーター専業事業者。Wi-SUNやLTE-M、ECHONET、OCPPといった各種通信技術を活用し、電力メーターのデータ取得・送信を実現。PPAだけでなくEV充電課金対応メーター等も提供し、発電量や稼働状況の可視化に取り組む。
前史がある。本田宗幸社長は、電力・水道用のスマートメーターやIoTを世界中に販売する外資系メーカーの輸入販売を手掛けていた。「国内大手電力会社がスマートメーターの導入を進め始めた約10年前。汎用品ではなくタイムスイッチ機能で家庭用ボイラの温水器を制御するカスタマイズが必要な領域のスマートメーター開発の依頼があった。その後、民生用のニーズに対応するため2017年、横浜に日本駐在員事務所を設立。本格展開をはじめた」との経緯を話す。
日本法人化のキッカケは太陽光発電の初期費用ゼロ円モデルPPAが立ち上がりつつある時だった。「コストを抑えるため『従来2つ必要だった子メーターを1つにできないか』という依頼があった。海外で展開してきた実績と技術を応用することでカスタマイズ品を完成させた」と話す。
展開するスマートメーターは太陽光発電の発電量だけでなく電力会社のスマートメーターから買電量、売電量をBルートで取得し、太陽光由来の自家消費量を1台で測定可能にするというもの。計量法・特定計量制度にも対応。特許も取得している。クラウド上の管理サイトで発電所を一元管理し、運用コストを削減。正確な計量で事業者独自の従量課金サービス構築をサポートする。PPA市場の拡大とともに需要の高まりが見込まれる。
「太陽光発電だけでなく蓄電システム、電気自動車、給湯機、家電など電力・エネルギーの計測はますます重要になってくる。独自技術を駆使し、市場環境に沿った次世代型のスマートメーターを提供していくことで脱炭素社会の実現に貢献していきたい」と話した。
〔参照〕
▷あすかソリューション